まずFXの取引の前に最低限必要な知識について述べます。

高校や大学で教えられる経済学とは一部重なりますが
決定的に違うのは大変に興味深く面白いというところです。


そもそも論になってしまいますが
色々ある投資の中からFXを選ぶ以上は
国際力学やエネルギー資源状況、局地紛争、宗教関係など
幅広く情報を集めることが楽しいという人だけが
アタックし続けられるのですね。


もっとも
外国為替を直撃してくるような国際的な出来事というのは
ハリウッド映画の上の上を行くような
派手なストーリーがつきものですから
退屈な受験勉強のような鬱陶しさは無いでしょう。


さて
私などの抽象論を続けても
それこそ退屈で鬱陶しいだけですので
実際のテキストを取り上げていきましょう。













大学の経済系学部などでこういった書籍に慣れている方は別として
普段あまり興味を持っていない方は
最初少しとっつきにくいかもしれませんが
誰が読んでも実用的で面白い書籍だけを取り上げていきますので

ここであげているものは、FXに投資するにあたって
本当に最低限必要な知識のエッセンスだと思ってください。


逆に言えば
これからあげていく水準の知識さえあれば
2015年初頭に騒動になったスイスフラン暴騰などの
わかりきったイレギュラーで損失を出すことはありませんし
逆手にとって利益を出す可能性のほうが高まります。


くだんのスイスフラン暴騰騒ぎで私が目を疑ったのは
普段ブログやユーチューブなどでFXの手法を解説している
「自称プロトレーダー」の皆さんたちの反応と解説が
あまりにも的はずれで滅茶苦茶だったことでした。



結論から先に言ってしまえば、この件は

1992年秋に発生したイギリスの通貨であるポンドの為替レートが急落した出来事
いわゆる、ジョージ・ソロスの起こしたポンド危機の顛末と
その後のアジア・ロシア通貨危機へのストーリーとロジックを理解していれば
自由資本主義国家の当局が強引に為替レートを調整することの意味をわかっていれば

スイスフランが危険水域に入っていることは
金融関係者やまともな投資家には明々白々だったのですが
残念ながらアフィリエイト目的ありきのブロガーさん達には
寝耳に水だったようで
まるで交通事故にでも合ったかのような反応が大部分でした。

もちろん
正確な情報を提供して報酬を得るのは有意義なことですが
インターネットを使って発信をする以上は
最低限の知識は確保したうえで行って欲しいと強く思います。



さて
投資取引の初心者の方
または取引でトータルでプラスを計上できない方は
取引手法のどこかが欠けているか歪んでいるんですね。



   



正確で応用可能な基礎知識を身につけていきましょう。

上記2冊の執筆者は同じ人ですが
長いこと外国の銀行でトレーダーと管理職をやってきた人なので
相場で生き残ってきた実力があり
かつ、それを説明するスキルが高いのですね。

「入門」「1週間」などといったタイトルになっていますが
我々凡人には良い意味でそんな簡単な内容ではなく
ここであげていく書籍は全てそうですが
座右においてことあるごとに教科書的に使っています。






ミスター円の著書です。彼も理論の説明スキルが高いこととめったに語られることが無い政策当局者の意図が平易に語られているところから基礎必読の書にあげました。週刊誌的な軽さでどんどん読み進められるわかりやすさです。



    


よくテレビに出ている池上さんの著書です。
問題意識の高さと理論の説明の上手さは
活字でも圧倒的なレベルの高さです。

そのへんで野菜と魚でも交換してきたようなわかりやすさで
経済システムを語っていくところは圧巻です。

投資に興味があるのだけれども
自分の人生には経済理論など縁がなくて
外国為替の本などはとっつきにくいという方には
ぜひ一刻も早く入手して最初に読んでほしい著作です。




さて、ここまでは
ファンダメンタルズ分析を理解して
自ら情報の真偽を判断するために
最低限必要な物を取り上げてきました。

ここから先は
現実の相場状況を掴み、市場に参入していくために
直接役立つものをあげていきます。







国際経済を扱う入門書と専門書の橋渡しとして若い執筆者2人がびっしりと通貨に関する知識を詰め込んだ労作で

国債通貨取引に関する基礎的な知識を
さらに深めてゆきたい方には格好の1冊です。



このあたりまでの書籍で力がついていれば
いわゆるトンデモ本や必勝本は
目次を見ただけで読む価値があるかどうか判別できるでしょうから
自分の興味がありそうな活字やネット情報で
日々折々に必要な情報の取捨選択ができる日常になってきます。







以下、蛇足です




最後に
基礎知識を嘲笑い軽んじるアフィリエイターの方々が
なぜファンダメンタルズに触れようとしないか?
ということについて述べておきます。



実力が全くないアフィリエイト専門自称常勝トレーダーの特徴は

①利益が出た取引結果のスクリーンショットがやたらと多い

②過去のトレード動画を用いて持論の正しさを強弁する

③なぜ売買を行ったかの説明部分は売りたい情報商材に丸投げする

④日本円という通貨が危険な通貨だということを理解していない


ご本人たちは相場に真剣に参加するつもりはなく
一つにつき数万円の報酬がもらえる
怪しいソフトを売りまくるのが目的ですから
FXの本当の取引に必要な知識など全く不要で
めんどくさいだけということなのでしょう。



特に、FXを始めたばかりの方に留意してもらいたいのは

ブログやユーチューブで
トレーダーの方達の主張に信頼性があるかどうか
つまり本物か偽物かを計る簡単な方法として


ファンダメンタルズとテクニカルの両面において
一貫した判断方法を持っていて
誰にでも説明できる方法で売買を行っているかどうかということです。


売買の理由に触れていなかったり
判断材料を怪しいソフト購入に結びつけたりする
自称常勝トレーダーは100%偽物と断言できますよね。




日本国内で登録されていないバイナリーオプション関連業者
必勝大儲けを謳う自動売買チャートソフト

この2つはきちんとした中身が無い物を売っているだけに
破格に高額な報酬でアフィリエイターを使っています。

高額な報酬を出せばそれに群がる人たちが
一攫千金を狙ってとにかく目立てばいいというような
youtubeの残念な風潮になるのが当然の流れです。


これからもおかしな商品に騙される人は大勢いるでしょうし
そういうことは時代を問わずにあるのでしょうが
他人の財産をかすめ取ってまで利益をものにしたとして
満足感や勝利感が得られるのでしょうか
youtubeやブログでガツガツと怪しい商材を紹介している
若いニート達を見ると非常に暗い気持ちになります。



再三申し上げていきますが

自分の財産を投資して増やしてくれるのは自分の頭脳だけです。

ミラートレード的なものは自分で使用法を制御すれば武器ですが
自分の英知を介在させずに全て人任せにすれば
遠からず全て失います

取引ツールの使用で迷ったら
それは100%自分の意志で統制できるのかをチェックしてください。